2009年7月2日
キレイごと抜きの現場報告
小学校だから!できること 第8回
「MPIメソッド」を小学校で全面採用
子ども達のコミュニケーション力を磨く 【前編】
近江八幡市立桐原東小学校
近江兄弟社小学校 非常勤講師
J-SHINE上級指導者
MPIパートナー会員
吉積尚子
レポート:小学校英語の現場から

 前述のとおり、担任はほとんど当てにできない状況でした。加えて、ネイティブ講師の存在は、保護者の要望など様々な面で不可欠でした。MPIの教材、MPIの理念、MPIのやり方などを近江兄弟社小学校に合うものにアレンジして実践するのは大変な仕事でした。

 そこで、MPIパートナー会員・MPIセミナー講師の谷口和美先生に協力をお願いし、快諾して頂きました。結局、5、6年生はアメリカ人の先生が教え、1年生を谷口先生、2、3、4年生を私が指導することになりました。

 保護者の理解を得るために、学校のPTA総会で、「英語のできる12才をめざして」という英語教育の目標をお話し、学園理事会の承諾を得て、MPIメソッドの英語教育が始まりました。

 2007年度は、谷口先生と私で学年を分担し、指導経験なしのALT(英語指導助手)が月に2回、各クラスに入りTeam Teachingで授業をしました。この年、文部科学省の委託事業として、英語活動拠点校になりました。

 2008年度は、1~3年は谷口先生が主指導者で私が副指導者となり、高学年は主、副が入れ替わるというTeam Teaching体制で、月1回は経験豊富なALTがメインになり、主にフォニックスを中心に指導してくれました。また、文部科学省より配布された「英語ノート」を使いながら、MPIの教材とリンクさせる授業もしました。今年度は、1~3年は谷口先生、4~6年は私が担当し、全クラスに英語指導経験のないALTが入り、毎回Team Teachingで授業をしています。授業時間数は各年度1コマ40分、週1回で年間約30回です。

 こうしてふり返ると、毎年ALTが替わり、その都度Team Teachingのあり方も変わり、一年一年が試行錯誤の連続でした。今年度も子ども達に必要な英語力をどのようにつけていくか、何がALTの役割かを考えながら進めています。

(後編へ続く/後編は8月3日配信予定です)