数字で見る小学校英語必修化
2009年3月2日
数字で見る小学校英語必修化
~「質の高い指導者確保」に向けて~
英語と子どもニュース 編集部
(執筆協力:奥原剛)
レポート:小学校英語の現場から
2011年より、小学校高学年で英語が必修化されます。
本稿では、小学校で始まる英語教育の課題、その課題の解決案、そして小学校における英語教育の意義について、各種調査のデータをもとに、考えてみることにします。

保護者・教員ともに、英語教育の必要性を認めている
小学校で英語教育が始まることを、保護者の多くが歓迎し、期待を寄せています。
また、小学校の教員の多くも、小学生時からの英語教育の必要性を認めています。

ベネッセコーポレーションの「第1回小学校英語に関する基本調査(保護者調査)」と「第1回小学校英語に関する基本調査(教員調査)」によると、「今後の国際環境を考えると、英語が話せるようになることは必要だ」と考える保護者は87.1%、教員でも89.9%が「必要だ」と考えています。
また、「英語はできるだけ早い時期から学ぶのがよい」と考える保護者は75.0%、教員でも64.6%が「早い時期から学ぶのがよい」と答えています。

平成19年度文部科学省調査では、全国の小学校の97.1%、約2万1220校ですでに英語活動が行われています。
ベネッセコーポレーションの上記調査によると、小学校教員の70.0%が、英語教育をすることで「子どもたちによい変化」があったと答えています。一方、「小学校から英語を学んでも効果は少ない」と考える教員は23.7%で、75.2%の教員が小学校英語の効果を認めているという結果です。

子どもが英語学習をするのに望ましい場については、50.1%の保護者が「学校だけで学べばよい」と回答しています。望ましい開始学年は、「小学校1年生」と回答した保護者が47.8%、教員では45.6%で、「小学校3年生」との回答をあわせると、保護者・教員の多くが、低学年か中学年から英語教育を始めるのがよいと考えていることが分かります。

以上の数字から、
●保護者・教員ともに90%前後の人々が、英語を話せることを必要と考え、
●保護者・教員ともに70%前後の人々が、英語を早い時期から教えることに賛成し、
●保護者・教員ともに半数以上が、小学校低学年か中学年から英語を教えるのがよいと考え、
●教員の70%以上が、英語教育で子どもによい変化があったと感じ、小学校英語の効果を認めている、

ということが分かります。

英語の必修化に対して、教員が消極的な理由は……
しかし、英語教育の「必修化」についての意識では、保護者と教員との間でギャップが見られます。