親が英語教育に求めるもの 英語教室ができること
2010年2月2日
親が英語教育に求めるもの
英語教室ができること
~ママさん4人の座談会~
取材・構成 奥原剛
レポート:小学校英語の現場から
尾崎 私の娘は、3歳のときに与えた教材にまったく興味を示さず、教材が送られてきた1年間、結局ほとんど何もやりませんでした。でも、その次に別の会社のCD教材を聴かせたら、楽しそうに歌ったり踊ったりし始めました。きっと最初の教材と時期が合わなかったんですね。「せっかく買ったんだから」と親は思いますが、私も無理強いはよくないと思います。

根岸 8歳の娘と9ヵ月の息子を近所の英語教室に通わせているんですが、下の子が9ヵ月で始めた当初は、英語の歌にすごく反応して、「この子は天才だ!」と思ったんです。先生は「いえ、天才じゃありません。みんなそうです」とおっしゃっていましたが(笑)。でも、すぐに英語に興味を示さない時期が来て、かと思ったらまたノリノリの時期が来て。上の子も、英語のCDを聴くときは2時間でも3時間でも聴くんですが、聴かないときはぜんぜん聴かない。子どもって「むらがある」と思いますね。
マック 子どもが興味を示さなかったり、嫌がっているときは、親が明るく軽いノリで続けさせたらいいと思いますね。親自身が楽しそうにやってみせたりして。でも、時期を見てまた試すことは大事です。 ママさん4人の座談会
忽那 子どもが楽しくやれる工夫をしたいですよね。私の子どもは最近、ダンスと歌が大好きで、おばあちゃんに教えられて、英語の歌をよく歌っています。でも、発音や単語は間違っているんです。例えば、“We wish you a merry Christmas.”を、“We wish ミラ Christmas.”とか歌っている。「そこは違うよ」と教えても、そのまんま気持ちよさそうに歌っています。この子のそういう個性に合わせて英語に触れさせていけばいいのかな、と思うようになりました。

マック その通りだと思います。先ほどの尾崎さんのお話にも関連するんですが、英語の習得の仕方は、子どもの年齢と発達段階によって違います。ですから、その段階に合わせることが大切です。尾崎さんのお子さんの場合は、3歳のときに与えた教材が年齢と合っていなかったのかもしれません。忽那さんのお子さんは、今は歌を歌って英語のリズムを取り入れている時期なので、単語を間違って歌っていてもいいんです。そのうち正しい発音で吸収するようになっていきます。しかしそこで、単語が間違っているからといって、1語1語区切って覚えさせたりすると、それは子どもの発達段階を無視したやり方なので、身につかないし長続きもしないでしょう。

尾崎 幼児にカードで英単語を覚えさせるような教材がありますよね。そういう教室風景をテレビで見たこともあります。あれで子どもが興味を持つのか、私も疑問でした。

マック 大人に褒められたり、親が喜ぶと嬉しい。しばらくはそれが動機になっているんじゃないでしょうか。だから、そのやり方だけでは続かないし身につかない。幼児に英語を暗記させるやり方は「もったいない」と思います。なぜなら、子どもには英語のリズムと音を体でどんどん吸収する能力があって、その力は子どもの頃にしかない。子どもの年齢と発達段階に合わせて英語の環境を与えることが大事なんです。
 
日本の子どもの日本における英語習得の発達段階
第1段階 0~5歳
意味は全部わからなくても身体で楽しむ時期
第2段階 6~8歳
英語の音声をもっとも正確に吸収する時期
第3段階 9~10歳
英語を使ってみたくなる時期
第4段階 11~12歳
英語の文字に興味を持つなど、知的好奇心旺盛で、何か達成感を求める時期
『これだけは知っておきたい 子どもと英語』(松香洋子著/mpi)より
中学生でコミュニケーション力が飛躍する

新田 私は子どもが小学4年生のときに、近所の英語教室からmpi English Schoolに移したんですが、中学2年から3年ですごく伸びてびっくりしたんです。というのも、中学生って、言いたい放題言っているようで、実は言いたいことを我慢して黙っている時期ですよね。それがmpiの教室に来ると、自分の思っていることをどんどん言っていい。自分をどんどん表現していい。まじめな議論をしてもいい。もちろん「会話はぜんぶ英語で」というルールはありますが、子どもにとって英語教室が、自分を表現して発散できる場所になっていたようです。中3の最後は、がんの告知の是非を英語でディベートするようなレベルまで行くんですが、中学2年から3年で、コミュニケーションの力が爆発的に伸びる段階が訪れるようです。