こどもと英語ニュース ~レポート 小学校の現場から~

2025年8月31日

英語キャンプで生成AIを活用してみた

聖学院大学人文学部子ども教育学科
小川隆夫

酷暑が続く8月でしたが、今年も東京都荒川区の3泊4日英語キャンプ『ワールドスクール』が清里で開催されました。
8月20日の朝8時、荒川区役所前に集合したのは小学6年生90名、ALT14名とJET(日本人指導者:私の学生)9名、その他に教育委員会や現役の先生方などスタッフ20数名です。この日の東京は何もしなくても汗が出てくるような暑さでしたが、清里高原に行けば涼しいだろうと期待を込めてバス4台に分乗して山梨県に向かいました。
途中でお昼をとって13時に宿舎に着くと、木々の多さに少しだけ涼しさを感じましたが、実際はかなりの蒸し暑さでした。朝晩は涼しいのですがもともと避暑地ですのでエアコンはありません。開会式と避難訓練を行った後、早々に最初のレッスンが始まりました。初日は1レッスンですが2日目は6レッスン、3日目が1レッスン、そして、最終日はこの英語キャンプの最大の目玉であるグランド・フィナーレです。グランド・フィナーレでは各グループが5分程度の英語劇を発表することになっています。

私はこのワールドスクールのコーディネーターをして12年目になりますが、4日間でALTとJETが一番苦労し多くの時間を費やすのが、グランド・フィナーレのスクリプト作りでした。レッスンの合間をぬって子どもたちとストーリーとタイトルを話し合いスクリプトを書き、配役を決めていました。それがないと練習も始まらないわけで、時間に追われながらの大変な作業でした。
そこで今年は計画段階からChat GPTを使うことにしました。私があらかじめ「レッスン中に使う表現」と「5年生の外国語科の授業で勉強した教科書に出ている表現」、そして1、2年生で練習した「英会話たいそうの96表現」を入力しておき、グループごとに話し合った内容をどんどん生成AIに入れていきました。そうすると何と数秒でグループ全員分のセリフ、ジェスチャーのアドバイス、歌の入れ方、おちまで考えてくれました。しかも子どもたちが慣れ親しんで表現を上手に使っているのです。終わり方もコメディータッチか、シリアスな感じにするかなど細かなところまで指示できます。
もちろんプロンプトという指示語が重要になりますが、今まで何時間もかかったスクリプトがあっという間に完成し、子どもたちは劇の練習に時間を割くことができるようになりました。そのため劇の完成度も高まり、子どもたちの自己肯定感を高めるのに役立ったと思いました。
内容も6年生の子どもたちにぴったりあったものでどのグループとも話題が重ならないオリジナルな劇になりました。これから生成AIを小学校の英語教育で活用する場面が増えていくと思います。指導者はいかに上手に使えるかを考えたいものです。


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