聖学院大学人文学部子ども教育学科
小川隆夫
毎日暑い日が続いていますが、お元気でお過ごしでしょうか。1学期も後半に入り小学校に着任した先生たちも仕事に慣れてきたようです。今月、私は1年目の先生向けの外国語研修会の講師を依頼されました。都内の教育委員会主催でしたが、受講生は70名で大学卒業したての先生もいれば社会人を経験した先生など年齢も様々でした。中には私の教え子も数名入っていました。さて、そこで驚いたことは外国語活動と外国語の授業を自分で担当している先生が3分の1もいないことでした。学校の規模や校内の事情もあるでしょうが初任者から全く英語を持たないというのは将来を見据えた場合どうなのでしょうか。
そういえば、さいたま市は令和5年度から教科担任制「さいたまモデル」を高学年で実施していますが、令和9年度からは全小学校の中学年でも実施すると5月下旬にホームページで発表しました。さいたま市は小学校が106校あるそうですが全校実施となるとかなり大規模ですし、他地域への影響も大きいでしょう。中学年では国語と算数は担任が担当し、その他の教科は分担・交換をしたり、専科教員が担当するそうです。そうなると英語をずっと持たない担任も出てきそうで、小学校教員養成課程の外国語指導法を担当している私としてはたいへん残念ですし、せめて中学年は担任と楽しい外国語活動をやってほしいなと思っています。
また、これは別件ですが6月24日の朝日新聞朝刊には、政府が目指す英語力水準達成という記事が出ました。政府は2027年度までに中3で英検3級相当以上、高3で英検準2級相当以上の生徒の割合を6割以上にすることを目指していますが、昨年度、中3は52.4%、高3は51.6%で目指す水準を超えていたそうです。文科省の担当者のコメントには「社会の期待とのギャップがある」と書かれていましたが、社会はたぶんこれ以上を期待しているのでしょう。体感的には以前より確実に英語に慣れている子が増えていますし、異文化理解も進んでいると思いますが、前回のコラムに書きましたが英語嫌いの子が増えているようで、これからこの数字が順調に上がって政府の目指す6割以上を達成できるかはわかりません。
さらにこの記事は先生たちの英語力についても言及しています。英検準1級相当以上が中学46.2%(前年度日1.4ポイント増)、高校82.2%(前年度日1.5ポイント増)だそうです。先生たちの英語力を向上させることも大きな課題のようですが、英検~級相当という評価はふさわしいのでしょうか。国際的に通用するスコアを利用することや英語教師全員を数年かかっても1年間英語だけで授業を行う環境で研修を受講するなど研修の工夫も必要だと考えます。台湾の中学校の3年生の英語の授業を見た時、先生が猛烈な勢いで生徒に英語のシャワーを浴びさせていましたが、大学院で中学校での授業はそういうものだと勉強してきたとか。日本も中高の英語の教員養成を工夫する必要がありそうです。