松香洋子の元気ブログ

2018年4月13日

福崎町(兵庫)の揺るぎない小学校英語の実践

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44日は、姫路から電車で7駅の兵庫県福崎町へ。新年度の研修によんでいただきました。前日は、姫路城で1時から6時まで満開の桜の木の下でのんびり。これでお花見は3回目。今年は満開の桜で3回も幸せを味わいました。

 

福崎町(人口2万人、カッパともち麦で有名)は、びっくりするほどの小学校英語先進地区でした。

 

1.     まずは今年で10年目という高寄教育長にお会いしました。強烈なリーダーシップと、福崎町の教育を良くしようとする教員、支援者への理解、支援。その一貫した視点と、「私が責任をとります」という決意が伝わってきました。

 

2.     小学校4校、中学校2校の小、中連携がなされていて、昨年からは幼稚園も英語教育に加わったそうです。月に一度、「国際理解・外国語活動担当者会」が実施され、教育委員、小中の英語担当教員、ALTJTE等、担当者が全員参加し、前月の振り返りから次月の指導案の確認まで一斉にするそうです。私の理想とすることが全部実施されています。

 

3.     JTEの立ち位置や役割がはっきりしているのはこの町の小学校英語にずっと携わってきたmpi会員の長谷川和代さんの経験と実践によるところが大きいです。学級担任が英語活動をするために、JTEが入ってはいけない線が物理的に、心理的に引かれているそうです。学級担任は常に中心に立つ、という当たり前のことが実践されるには、JTEが1歩も、2歩も下がる。素晴らしいことです。

 

4.    福崎町がどうやって学級担任をT1に育てるのか?それには10年の歳月をかけて築いた信頼関係と手法があるのです。例えば単語導入をする時には、各単元の1,2時間目は、JTE→児童、HRT→児童、児童の順番ですべての単語、表現を4回ずつ練習し、3時間目はHRT→児童で練習、4週目には児童だけで練習となります。

こうやって練習した表現は、「来週は見ないで発表」という予告をうけて、子どもたちは文字をみないで人前で発表します。この実践を続けるところがすごいです。

 

このようにして10年間ともに歩んできた先生方はとても明るい。それが私の感想です。私の研修では、いつものごとく、「ゲーム」、「褒め言葉」、「日直のやり方」、「5行スピーチ」、「Small Talk」など、多くは舞台上で誕生月によって指名された先生方がやってくれましたが、みなさんすごく明るかったです。英語で笑いに包まれる研修会でした。

 

幼稚園、小学校、中学校の先生方、約200人が一同に会し、今年度から福崎町へ赴任した先生方もふくめ、笑顔で、笑いながら、研修ができたこと、隔世の感がありました。「ああ、小学校英語は進んだなと思ったり、いやいや福崎町が特別なのだ」と思ったりしながら研修をすすめました。

 

今年度、福崎町は全国の道徳教育研究会を担当ということで、これから多忙をきわめる先生たちですが、福崎町ではすべての教科は繋がっているに違いないと感じました。外国語活動を通して養われた「よく聞く、よく話す、誰とでも仲良く遊ぶ、学ぶ、明るく挨拶、協力して取り組む」といった姿勢が道徳教育にも反映されるだろうと信じられます。高寄教育長がおっしゃった子どもたちが「この世に生まれてきてよかった、この町に生まれてきてよかった」という気持ちをもち、それが学校教育を通して検証されることを願いながら、福崎町を後にしました。

 

最後に、英語研修に慣れていなかった幼稚園の先生方、今年初めて福崎町へ赴任された先生方、ごめんなさい。私のむちゃぶりに明るく耐えていただき、ご協力感謝です。

今年度から『SWITCH ON!』が導入されるそうですから、新任の先生方も安心して英語に取り組んで頂けると思います。頑張ってくださいね!


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