英語がわからないのはセンスのせいじゃない!原因と解決法を知ろう
中学1年生のMさんに、新刊「小中学生のための発音トレーニングブック」に約5カ月間取り組んでもらい、英語力やメンタル面でどのような変化が見られるかを、定期的にご報告する連載企画です。今回はその第1回目をお届けします。
Mさん(中1)のご紹介と出会いについて
Mさんは、地元の中学校に通う中学1年生。これまで学校の授業以外では英語を学んだ経験がありません。学習塾などにも通ったことがないとのことでした。
彼女と初めて出会ったのは約1カ月前。刷り上がったばかりの本テキストのトライアルに、約20分間参加してもらったのがきっかけです。その際に、 「英語が苦手で、難しい。時間をかけてもなかなかうまくいかないから自信がないです。」と話していたので、この5カ月のチャレンジについてお声がけしたところ、 ご本人からやってみたいとお返事をいただきました。
Mさんは小さいころから空手をしていて、実力は全国レベル!
日々の練習をしっかりと積んで試合に臨むことのできる自律的なお子さんで、
自分自身をしっかりと見つめる冷静さがあります。
また、物おじせずに意見や気持ちを明確に伝えることができるお子さんです。それだけに、英語が苦手だということを自分でもはっきり意識していて、 『何とかしたい!』という強い気持ちがよく伝わってきました。
開始前の簡単なインタビューから
鈴木:これから約5カ月にわたるレッスンにトライしてみようと決心してくれた理由は?
Mさん:英語が苦手なので, 少しでも英語が得意になればいいなあと思いました。
鈴木:どんなところが特に苦手と考えているか?
Mさん:単語のスペルを覚えたりするのが特に難しいです。
鈴木:普段はどうやって単語を覚えているの?
Mさん:friendだったら “フリエンド”という感じでローマ字っぽくおぼえているけど, それではダメだなあ, と思っていて。
鈴木:この発音トレーニングを使用することで, それが克服できそう?
Mさん:トライアルに参加したときに, 音を覚えるフォニックスというのがあることを初めて知ってびっくりして, これを学べたらもっと読み書きが楽になるのではと思いました。それで, やってみようと決めました。
鈴木:自分に期待している?
Mさん:はい!(即座に)
初回は「フォニックスアルファベット」
Mさんにとってフォニックスとは?
初回レッスンは, フォニックスの基本中の基本 『アルファベット26文字には音がある』から始めました 。
テキスト2,3番で, アルファベットの名まえと文字, キーワードを覚え, 発音の仕方を学びます。初回ということで, Mさんには何も準備してくる必要ないと伝えていました。
Mさんにとっては, 「フォニックスアルファベット」という言葉も概念も初めて. アルファベットには固有の音があるということを今まで意識したことがなく, 単語のスペリングはローマ字読みで覚えていたようです。(たとえば“umbrella”は『ウムブレララ』という感じだそうです)
でも, 読む場合にはそうはいかないので, とても苦労しながらも自分なりに頑張って覚えていたようです。
とくに中学校に入学してからの半年あまりは, Mさんにとっては 英語はすごく大変な「暗記教科」という印象だったようです。
いよいよレッスン開始です!
1回のレッスン時間は30-40分。さっそくレッスン開始です。真っ新のテキストを開きます。Mさんの緊張と期待がこちらにも伝わってきました。このテキストは教わらなくても自分で進めることができるものなので, あえて細かい指示はせずに「まず, このページをやってみよう!」と伝えてあとはMさんのやり方を尊重しました。
最初はフォニックスアルファベットから
Mさんは, 自身の携帯でQRコードを開いて, 2番フォニックスアルファベット①の動画を視聴し始めました。1回目は基本的には見ることに集中していました。時折小さく口を動かしていますが, 見ることが中心です。
1度見終わると, Mさんはすぐに2回目のボタンを押し, 今度は動画左上に出てくる口の動きを真似しながら一緒に発音し始めました。Mさんは日本語で会話する時にもはっきりと大きな声で話すのですが, 2回目ははっきりとした声で音に合わせて言えています。
2回目を終えて, キーワードで意味の分からないところがないか確認しましたが, イラストからだいたい想像ができるから大丈夫, と答えてくれました。緑色が有声音, 黄色が無声音ということも自分で意識して言えています。
3回目は, 声も大きく間違いを恐れずに言えている感じがしましたので, ここで, 3番に進みそれぞれ音の発音のコツの練習に入りました。Mさんはここでも最初は注意深くを音源を聞き, 2回目から一緒に声を出していました。中学生になって初めて, これまでに使ったことのない口の形で /v/ や /f/ を発音するのは恥ずかしかったり戸惑いがあるはずですが, Mさんはそうした様子を見せず, 真剣に取り組んでいたのが印象的でした。
私からアドバイスしたのは, 以下の通りです。
b pの時に一度口をしっかり閉じてから思い切って発音するといい, eは指2本, しっかり笑って。iは指1本。おすまし顔で。oは指3本たてに. 思い切り。
yは気合を入れて。
さすが, 長年空手をしているMさん。 yのポーズがとてもさまになっていました!これらのアドバイスは自分からメモに取り, 確認しながら発音してくれていました。
空手のポーズで, yの音を練習
フォニックスアルファベット
フォニックスアルファベットの読み方
「発音トレーニング
ブック1」
「小中学生のための発音トレーニングブック 1 ~フォニックスで読む力がつく!~」の詳細はこちら
初回を振り返って
およそ35分の初回レッスンはあっという間でした。私は, Mさんの自主的な取り組みを見守り, 必要な箇所にだけ簡潔なアドバイスを添えることに徹しました。Mさんからは, 自分の携帯からQRコードを読み込んで自学することにも慣れてきたので, 『家庭でも問題なく続けられそうです』という頼もしい言葉をもらいました。初回ということで緊張もあったはずですが, たくさん声を出せて手応えを感じたようで, 笑顔でレッスンを終えました。
次回からは, いよいよ音をつなげて簡単な単語を読む—フォニックスの真骨頂ともいえる段階に入ります。
鈴木:フォニックスアルファベットが出来るようになると, どんないいことがありそう?
Mさん:音をつなげて読めば, 英語が正しく読めるようになると思います。
鈴木:正しく読むには正しい口の形で発音することが大切。ここは焦らず次回まで時間をかけてじっくり身に着けていきましょう。
Mさんのインタビュー動画はこちら
執筆:鈴木美香
津田塾大学学芸学部英文学科卒業後, インクルーシブ教育を実践する東京都の私立総合学園で教職に就き, 現在に至る。その間, 米国マサチューセッツ州ボストン東スクールに13年間勤務し, 現地の子どもたちを指導. 米国レスリー大学大学院を修了し, 教育学修士号を取得。
2000年に帰国後, mpi英語指導者資格, mpiフォニックス指導者認定を取得し, のちにmpi英語指導者養成セミナー講師に就任。現在はSuzuki English Studioにて幼児から高校生までを指導。
『小中学生のための発音トレーニング - フォニックスで読む力がつく‐』(mpi刊)共著者。