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松香洋子の提言
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小学校英語を成功させる
英語教育は子ども達の未来のために

 ある小学校の先生から、「英語、英語っておっしゃいますけど、道を歩いていても外人はいないし、英語なんか使いませんよね」と言われました。
でも、教育は子どもたちの未来のためにするんです。世界ではほとんどの国で小学校から外国語が教えられていますが、外国語を日々使わなくてはいけないから教えている、という国はわずかです。子どもたちの未来のために教えているんです。近所を外国人が歩いていないから英語は必要ない、なんて考え方はありえませんよね。未来の世界ではもっと英語が必要になるということは明らかです。だから、その未来のために、子どもたちの未来を輝かすために、私たち英語の先生の仕事があるんですよね。


小学校英語の目標は、「英語を豊かに与えること」

  私は「小学校英語の目標は何ですか」と聞かれたら、いつも『英語を豊かに与えることです』と答えています。英語活動がうまくいっていない小学校では、たいてい言葉を貧弱に与えています。「今日は買い物のシーンをやりますから、これとこれとこれを覚えましょう。はい、言ってみましょう」なんて貧弱な言葉の与え方をされたら、楽しめませんからね。1文1文区切って読んだり、買い物のフレーズを覚えるようなことをしなくても、小学生は耳から英語を丸ごと吸収していきます。


カリキュラム、指導法、教材が小学校英語を成功させる

  小学校英語では、行政は外国人のALTを雇いさえすれば何とかなると考えているむきがあるようですが、そのようにはいかないということを、私どもは苦難の歴史の中で身をもって経験してきました。しっかりとしたカリキュラム、しっかりとした指導法、しっかりとした教材があるということが何よりも大事です。


小学校英語の使命

  最近、いくつかの市町村で、中学校1年生の英語の教科書そのものを小学校で教えるという動きが出ています。「小学校の英語活動は何年やっても成果が見えない」という批判の中で、ひとつの解決策として始まったようです。これはとても危険な動きであると私は考えています。小学校英語活動がとんでもない方向に進んでいってしまうかもしれません。
小学校英語活動には、人と人とがやりとりをすることに対して興味、関心を高め、英語という言葉を使ってみようという積極的な態度を培い、言葉の最も基本的な部分(rhythm, pitch, tempo, stress, voice quality)を形成し、人間のコミュニケーションの7割を占めるというノンバーバルの部分を練習し、辞書的に語彙をたくわえ、生活言語(BICS)を優先し、文化的な背景も含めたジョークなどの言葉遊びを楽しむ、など様々な使命があります。
このようなことが小学校英語活動で達成されてから、中学校で「英語」という教科が始められたら、中学校での英語教育が輝く、と私は考えています。


小学生は「聞く、話す」が中心

  義務教育というのは、国語でも算数でも基本的なことができるようにするというものだと思います。だから中学校の英語も、何も難しい文法をやる必要はなくって、基本的な、読み、書き、聞く、話す、の4つができればいい。でも中学校で読み書き聞く話すの全部を身につけさせることはできない。そのためには小学校で、聞く、話す、ということを身につけておく必要があるんです。小学生は聞く、話すのが得意ですしね。

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