2016年10月28日
What color is autumn for you?
秋は何色?

小川隆夫
聖学院大学特任講師
J-Shineトレーナー検定委員
中央教育研究所小中高大英語教育プロジェクトメンバー
玉川大学教職大学院講師

レポート:小学校英語の現場から

 いよいよ秋らしくなってきました。私はこの夏の終わりにベトナムに行ってきました。
 ちょうど10年ぶりでしたが、相変わらずバイクが多かったです。しかし、そのほとんどが日本製になっていたのには驚きました。以前は日本のメーカーに似た名前のHANDAやYAMAHO?みたいなものが庶民に手が届く値段で売られていたせいか、故障が多く事故の原因にもなっていると現地ガイドが話していたのを覚えています。 しかし、今はほとんどが日本製になっていました。これも国民の所得が増え経済が発展している証拠でしょう。

 さて、皆さんはこのメコン川の写真を見てどう思いますか。「茶色だ」、「濁っている」なんて思うかも知れません。でも現地の人たちにとっては生活に密着した大切な川です。川の色がひどい色だなんて思わないでしょう。東南アジアやインドの川は私たちが思う川の水とは想像もつかない色をしています。 日本には清流が多いせいか、茶色の川はどうも日本人にとってはしっくりこないようですが。
 このように色はどうやら地域によってその捉え方違うようです。そこで、今日は色について書いてみたいと思います。

 ちょうど旅行中に激しいスコールにあいました。もちろん現地の人は慣れているのかまったく平気な顔。あわてたのは旅行者だけでした。 しかし、雨上がりにはきれいな虹が出てほっとした気分になりました。虹と言えばmpi のSongs and Chatsの中にRainbowがありますね。

Red and yellow and pink and blue
Purple and orange and green
I can see a rainbow, see a rainbow, see a rainbow now.

 この歌では虹は7 色になっています。なぜ、こんなことを書くかというと、この時ちょうどそばにいたベトナム人の大学生と話したら虹は6色だというのです。
 それは面白い。
 そういえば昔、誰かの本で読んだことを思い出しました。帰ってから本棚を探すと『日本語と外国語』(鈴木孝夫・岩波新書)に書かれていました。
鈴木先生によれば言語によって虹の色の数が違うそうで、日本語、フランス語、韓国語では7色、英語では科学・教育の分野では7色で民衆レベルでは6色が主流だそうです。民衆レベル?一般的には6色ということでしょうか。また、アメリカのrainbowsという本の中にある虹を歌った詩では6色だと紹介しています。

Red and orange,
green and blue,
shiny yellow,
purple, too.
All the colors
that you know
are found
up in
the rainbow.
       『日本語と外国語』p.74

 その他に英語では、6色ならRed, Orange, Yellow, Green, Blue, Violetで、7色ならこれにindigoなんていう人もいるようです。言葉による色を研究するのも面白いですね。

 それでは、子どもは太陽を何色で描くでしょうか。日本人の子どもは太陽が赤、月が黄色。ベトナムでは太陽は黄色かオレンジのようです。
 これについて、鈴木先生は自らの体験として、アメリカで新聞のクロスワードパズルを解いている時、The color of the sun「太陽の色」というヒントでredと入れると文字欄が3つ 余ってしまうが、yellowにすると上下・左右ともピッタリになるということがあったとそうです。 ということは、アメリカの子どもは太陽を黄色に描くということですね。これもとても興味深いことです。

 さて、秋もいよいよ本番ですが、
What color is autumn for you? 秋は何色?って、いろいろな人に聞いてみたくなりました。私たち日本人は何色って答える人が多いでしょうか。もちろん、留学生にも聞いてみたいです。
 そして、皆さんにもWhat color is autumn for you?

プロフィール

小川隆夫(おがわたかお)
聖学院大学特任講師、J-Shineトレーナー検定委員、中央教育研究所小中高大英語教育プロジェクトメンバー、玉川大学教職大学院講師
立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科修士課程修了、英国立リーズベケット大学英語教授法修士課程修了
鳥飼玖美子氏のもとで「英語コミュニケーション教育」を学び、松香洋子氏を児童英語の師とする。埼玉県内の小中学校で33年ほど勤務し数々の英語活動の実践を発表する。
著書『先生、英語やろうよ!』 『高学年のための小学校英語』(mpi刊)は、小学校の先生方から英語活動のバイブルと呼ばれ圧倒的に支持されている。