2016年2月29日
松香洋子の
私的小学校英語教育論
第11回 自分が知っている英語を使う体験させるためには、どのような活動ができるのか?

mpi松香フォニックス会長
松香洋子

レポート:小学校英語の現場から

2015年の12月26日にELEC小学校外国語活動workshopでこのタイトルでお話をさせていただきましたので、それをまとめてシェアさせていただきます。

自分が知っている英語を使う体験をさせるためには、いくつかの前提条件があります。
1.体験的な活動を考案する。ドキドキ、わくわくする活動を。
2.子どもの力を信じる。
3.自由度を大切にする。
4.その日に使う単語や文や導入してから、活動するという考えを捨てる。
5.実際に英語を使わせることからはじめる。
6.失敗をおそれないようにするため、失敗してもいいことを教えていく。

おすすめの活動
1.英語日直
外国語活動がある日に、英語日直のこどもたち(2人~4人)が、あいさつ、天気、曜日、日付、好きなこと、できること等につて 1人が一言ずつ担当するということからはじめる。良い点は、すでに日直制度があるため、全員がやることを了解している。 先日もある学校で、英語日直の1人が“Do you like me?”という質問を発し、笑いを誘っていた。子どもはすごい。

2.ほめあいごっこ
A: Hi! I like your sweater.
B: Thank you. I like your skirt.
誰かと出会い、お互いにほめあって、なるべくたくさんの友だちとほめあう。毎回やってもいい。良い点は、日本人はほめるのが下手なので、子どもからこれを直していきたい。

3.連想ゲーム
1 Yellow, yellow→banana
2 banana, banana →fruit
グループでリズムをとりながら、知っている単語を連想でどんどん言っていく。良い点は、必ず笑いがおきる。自由度を楽しむ。

4. 誰ですかクイズ
This person is a boy/girl.
The person is wearing a blue shirt.
などとヒントを2~3言ってから、Who is this?ときいて、それを聞いた他の子どもがその子どもを指差す。 良い点は、ヒントに自由度があることと、子どもはいつも自分のことかな、と思うこと。

5. 自分の持ち物show and tell
Hi! This is my special eraser.
It’s purple.  I like it.
何か自分の持ち物を手の中にいれ、隠しても隠さなくてもどちらでもよいが、誰かと出会って、それについてお互いに 2~3の説明をする。良い点は、子どもの工夫心に期待できること。どんな英語を使うかも楽しみ。

6. ポスターセッション
トピックを決め(自己紹介、好きな食べ物、できること、行きたい国など)子どもたちは全員、白い紙に5つほどのイラスト、数字、イニシャルなどを描く。
半分の子どもがポスターをもって、部屋のまわりにぐるりと立つ。残りの半分は、ポスターをもった子の1人の前にたつ。
40秒~1分程度で笛などをならし、それを聞いたらとなりへ移動する。
ルールは、ポスターを[もっていない子ども]が必ず質問するなどして話しだす。
良い点は、かならず全員が繰り返し話すこと、全員が全員に出会えること、トピックを変えれば何度でもできることです。できたポスターを教室の後ろに貼るのもいいし、子どもに保管させてもいいです。
どうしても心配なら、
What’s this? Who is this? Where is this? Is this ...?
Can you ...?と質問文を教えてください。
皆様もぜひ、勇気をもって、子どもが知っている英語を使う活動に挑戦してください。
子どもは天才です。この点をよろしく。

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