2015年10月19日(月)に横浜市のある小学校で学校公開日に6年生の外国語活動をみせてもらいました。
横浜市というのは日本最大の学校区をかかえ、小学校だけでも340校もありますが、この学校は1年生から6年生まですべて5学級ずつ、全校児童900人という大規模校でした。
まずは、全体的な様子です。
1 とても落ち着いた雰囲気の小学校でした。
日本の小学校はいいな、と思いました。学校の雰囲気もよく、掃除も行き届き、子どもたちも先生もみな落ち着いた感じを受けました。
2 子どもたちの学習態度が良かったです。
子どもたちは素直で、協力的でした。子どもたちが落ち着いているため、英語を使って英語活動を体験させる、というルールはとてもよく守られていました。
3 外国人ALTの先生は上手でした。
日本にきて8年目というハワイ出身の女性のALTでした。とても落ち着いていて、声も大きく、笑顔も絶やさず、英語だけで、予定の活動を
上手に進めていきました。
4 学級担任は協力的でした。
学級担任は、子どもの前に立って活動をするということはありませんでしたが、DVDの設置を手伝ったり、教室にいて、目を配っていました。
5 Hi, friends2のテキストとDVDを使っていました。
カリキュラムは、テキストに沿って進められている様子でした。
6 ふりかえりカードを使って、その日の活動を記録しました。
短時間でしたが、今日、やったことを記録して終了となりました。
実際に小学校で指導をしている方々のためにも、もう少し詳しく活動内容を羅列してみます。
1 挨拶“How are you?” と聞いてからAre you fine/ sleepy/ tired/ hungry/ cold/ hot?と次々と聞いて、手を挙げさせた。
2つ目のクラスでは、週末に何をやったかを聞き、shopping, YouTube, friend’s house, Englishという答えが出た。
2 世界の国々の旗を色と形などを言って当てさせる。
大きく手を使って上中下とか、左右中央を示す。
例1 green, white, red = Italy
例2 red, white, red and a leaf in the middle=Canada
15ヶ国ぐらい。“What country? ”
3 英語らしく国の名前を発音する練習
R,r Russia, Australiaのraの強勢。
4 Missing card ゲーム
ALTが“Remember and head down.”と言うと、子どもは机に顔をつけて目をとじ、抜かれたカード1枚を当てる。
5 国旗をぐるぐるまわすゲーム。
音楽が止まった時にカードをもっていた子どもはその国の名前をいう。
6 “I want to go to ...”といって、子どもに行きたい国で手を挙げさせる。
人気の国はCanada, America, France, UK, Australia, Germany,Brazilで、人気のないのはGreece, Russia, India, Egypt, Mexico, China, Korea等。“I want to go to another country?”
と誘いをかけたが、これには答えが出なかった。
7 テキストにのっているKiyokoがフランスにいって、エッフェル塔とお城を見て、エスカルゴを食べる、というのを分からせるため、DVDを
見せていた。フランスの紹介というDVDもみせた。エッフェル塔、城、凱旋門、エスカルゴといった単語は難しく、ALTの先生はあまり熱心に教えず。
8 “I want to go to Italy.”のチャンツを練習。
ゆっくり2度、早く1度。児童はだいたいついていった。
9 フランスで見たいこと、やりたいことを日本語や絵で書きなさい、という指示については、HRTが日本語を使って指示する場面もあった。
10 ステレオゲーム
最初にALTとHRTの2人がそれぞれ国旗のカードをもち、“I want to go to~.”と同時にいい、聞こえた国の名前をあてた子どもが次のいう係になって、
はじめのクラスでは3人、次のクラスでは4人が同時に言った。
11 ごく短時間でふりかえりカードを書いた。
12 最後のあいさつ。短く。
2020年にむけて
今回、ここで紹介した英語活動を現在、日本で実施されている6年生の標準的な例とした場合、今後、どのような点が、どのように変化して
いけばよいのかを考えてみたい。
大きな課題は3つあると思われます。
1 どうやったら、先生中心でなく、子どもが活躍する体験活動にすることができるのか?子どもに何を体験させたいのか?
2 どうやったら、学級担任が主体的に指導できるか?
3 どうやったら、中学校へ進学する前に、小学校でやるべきことを明確にすることができるのか?
カリキュラムと評価ということ。
この課題に対して、私の提案を次号に書きたいと思います。
松香洋子プロフィール
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