2014年12月26日
『児童が活躍する外国語活動』
~「打ち合わせの時間がありません!」JTEもHRTも思っています

大田原市英語活動指導員
J-SHINE(小学校英語指導者認定協議会)トレーナー
mpi会員 大伴 久美

レポート:小学校英語の現場から

「担任の先生との打ち合わせの時間がありません。」
研修会場に行くとJTEのみなさんがどこでもこの悩みを抱えて日々奮闘されていることがわかります。
今日は児童が活躍できるようにすべくどうしたらこの問題を解決できるか?ということをテーマに書いてみようと思います。

担任の先生の学校生活は授業以外にも行事、出張、研究会、校内のお仕事の分担、保護者の対応などなど数えればきりがないくらい一人でたくさんのお仕事を抱えて超がつくほど多忙です。 朝は早くから学校にやってきて児童が下校してからも職員室で待っている仕事をこなします。そんな様子を見ると毎回の英語の授業のためにまとまった時間をとるということがいかに難しいかわかります。

私もこの仕事を始めたころは打ち合わせの時間がないことが授業がうまくいかない原因の一つと考えていました。
もっと英語に目を向けてほしい、よい授業を一緒に作っていきたいとレッスンプランを持って先生の空き時間を狙っていましたが、やがてとてもそんな時間がないということがわかりました。
説明したいことの半分も言い終わらないうちにチャイムがなって先生は教室へ戻ってしまう。またはまったく職員室でお会いできない。片思いのようなこの気分。何年振りかに味わいました。

逆に準備に時間をかけられるのが研究授業。白羽の矢が当たった時から念入りに打ち合わせをしてセリフの割り振りや立ち位置の確認、時間内に収まるか?など何度も時間をかけて準備を行います。 でもそれを年間35回の授業ではとてもやっていられません。小学校は英語だけを教えるところではないのです。

多くの方が「じゃあどうすれば?」と思われていることでしょう。
学校業務でお忙しい先生方に会えなくてもJTEとしての思いを伝えるためにはどうすればいいか?
普段の生活にヒントがあります。働くお母さんは忙しい。子供たちや家族に伝えたい用件があるときにはメモ書きにして食卓の上において出かける。または冷蔵庫に貼っておく。メモも短くて簡潔。 帰ってみるとちゃんと子供たちはご飯をしかけてお風呂のセットもできています。(我が家にもそんな黄金時代がありました。)
レッスンプランに先生にやっていただきたいことをポストイットで目立つように貼ってお願いする作戦が今のところ一番有効です。 レッスンプラン自体に多く書き過ぎると、先生方はそれを全部読んで覚えなければ、と思われ、そのことがとても負担になってしまうようです。学校の先生方はそれだけいつも真剣に、真面目に授業に取り組まれているのです。
またラッキーにも先生をお話しするチャンスがあった場合も活動の内容をかいつまんで説明し、大事なポイントだけをお願いするようにします。
ゲームで机の配置を変えたいときには簡単な図を付ける、児童がゲームをするイメージを先生につかんでもらえるようにカードの配置を簡単に描くなど、文章だけではなく視覚的に一目でわかるような工夫で短い打ち合わせでも思ったような展開になるものです。

あとはレッスンプラン自体を見直すことも大切です。
一目でみてわかりやすいか?
あまりに盛り込み過ぎていないか?
できるだけシンプルな読みやすいレッスンプランを常に心掛けているつもりですが、 ある時、活動がかなり進んだ後で担任の先生に、「こういうことでしたか!」と言われてしまったことがありました。」大いに反省しています。
準備万端に整え、あとは45分の授業の流れの中で、担任の先生とコミュニケーションを取りながら、児童の様子やその時の状況に合わせて軌道修正していくことで、思いのほかスムーズに進んでいくものです。「案ずるより産むが易し」ですね。

実際に担任の先生がたから頂いた英語活動に関するアンケートでは「英語指導員の勤務時間を増やして打ち合わせにあててほしい。」というご意見がありました。
JTEだけではなく、担任の先生方も打合せの時間が必要だと思ってくださっているのです。このようなご意見はとてもありがたいのですが、勤務時間には制約があり、時間の延長は厳しいのが現実です。 打合せの時間がないからJTEとしてつらい、と後ろ向きに考えるのではなく、最小限の時間をどうしたら活かせるかと前向きに考えると何らかの答えが見えてくると思います。

「できない。」「してくれない。」と思うよりまず「できることは何か?」を見つける姿勢を持つことが解決の糸口です。
最短の打ち合わせで最大の効果を得られることが理想。 児童が活躍する英語活動のためにミニマムのなかのマキシマムを探っていきましょう。

小学校英語を民間でサポートする「J-SHINE」については こちらから