2014年4月25日
『児童が活躍する外国語活動』JTE(日本人英語指導者)が小学校に入る際の心得

mpi教育アドバイザー

レポート:小学校英語の現場から

民間の英語教室での指導経験はあるけれど、公立の小学校でJTE(日本人英語指導者)として指導するのは初めてのため、 何か心掛けた方がいいことなどあれば教えてほしいですというご質問をよく頂くので、小学校の現場に入る心得について今回はお伝えいたします。

◆民間の英語教室と小学校での指導の違いについて
民間の英語教室には英語に興味をもち、「英語を学びたい」と言う子どもたちが通って来ているので、比較的指導しやすいと思います。 ところが、公教育の場である小学校にはいろいろな子どもたちがいて、必ずしも英語に興味がある子どもたちばかりではない、と言う点を理解し、納得しておく必要があるかと思います。 英語指導者として、英語のスキルを教えなくては、と意気込んでしまいがちですが、小学校英語の目標である「コミュニケーション能力の素地を養う」と言うことをきちんと理解し、 その目標に沿った授業内容をサポートするためにも、以下の点を今一度確認しておきましょう。

①「言語や文化について体験的に理解を深める」とは、
 座学ではなく、児童が主体的に考えたり体を動かしたりしながら学べるよう支援すること。 ②「積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図る」とは、
 できるだけ多くの人と関われるような活動ができるように児童を支援してあげること。 ③「外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませる」とは、
 単に“Repeat after me.”と言って反復練習、パターン練習をさせるのではなく、どの児童も飽きずに楽しく練習できるよう工夫すること。

◆小学校英語の指導者について
小学校での英語活動は授業の一環であり、学級担任の先生が授業の中心にいて指導し、JTEは英語面での支援者となります。 自治体、学校や学級担任により、授業への関わり方はいろいろあると思いますが、学校の方針、クラスの先生方の希望や意向を確認しながら、英語面でのサポートをすると言うJTEとしての役割を心掛けておきましょう。 2011年に英語活動がスタートした当初に比べれば、小学校の先生方の英語活動への意識もかなり変わり、「子どもたちと一緒に英語を!」、という前向きな姿勢で授業に取り組まれている先生がとても多くなってきているようです。 担任の先生ともう一人の指導者(JTE / ALT)が教室の前に立ち、二人で英語でのやり取りを見せてあげることで、使えるための英語、コミュニケーションの一つの手段としての英語を子どもたちに見せてあげることができます。 だからこそ、英語活動では指導者二人のティームティーチングが望ましい、とされているのです。日々の学校業務で忙しい先生方の負担を少しでも軽減し、楽しい英語の授業作りのお手伝いをする、と言う謙虚な気持ちを持ち続けたいものです。

◆英語の指導以外に配慮すべきこと
小学校では、「子どもたちの全人教育に携わっている」と言っても過言ではないと思います。
JTEとしては、つい英語の言語面を育てることに一生懸命になりがちですが、態度面、生活面などでも児童を具体的にほめたり、励ましたりする機会を見逃さないようにしましょう。 児童との関わりで何かうまくいかないことが生じた場合などには、一人で抱え込まないで、児童のことを把握し、理解されている担任の先生に相談しましょう。

◆授業で使いたい教材や絵カード作成、コピー等について
学校組織には必ずいろいろなルールがありますので、それをきちんと把握することが大切です。例えば、学校内で使用する全てのものには使用許可が必要です。(コピー機・放送室の使用、絵カードや教材作りのための用紙の使用など) 使用許可などの様々な事務手続きは、通常副校長先生(教頭先生)が担当されていることが多いので、普段からコミュニケーションを大切にしておくことで物事をスムーズに進めることができます。 JTEは児童にとっては「先生」ですが、学校の先生方にはあくまでも「外部指導者」となりますので、いつも自分の立ち位置を自覚し、一つ一つの行動や言動に留意しましょう。

大勢の子どもたちと向き合う小学校での英語指導では、圧倒的なエネルギーを子どもたちからもらえます。JTEとしてのご活躍を応援しています!

小学校英語を民間でサポートする「J-SHINE」については こちらから