2012年5月8日
新教材「Hi, friends」について

J-SHINE小学校英語育成トレーナー
常葉学園短期大学非常勤講師
mpiパートナー会員
溝口良子

レポート:小学校英語の現場から

「4月からの外国語活動、どうしたらいいんでしょう?」「また、1からやり直しですか?」
小学校の現場からはそんな声が聞こえてきそうです。
そんな皆さんの不安を少しでも解消すべく、今日は文科省から出ました新教材「Hi, friends」をご紹介します。

表紙の絵はもうご覧になりましたか?絵が全面的に変わりました。
「Hi, friends 1」では、タク君とサクラちゃん、そのお友達が船で世界に羽ばたこうとしています。
「Hi, friends 2」では、世界に羽ばたいて行ったタク君たちが、なんと桃太郎やフィンランドの男の子、韓国の女の子を伴って帰って来ました。手を振って出迎える両親や鬼さん、そして学校の友達や先生。
そうです、羽ばたきっぱなしではない!ちゃんと帰って来たのです!
これらの表紙に深い思いが隠されているんですね。わくわくしてきませんか?

さて、内容はどの様に変わったのでしょう?
1、 「英語ノート」で取り上げられなかった「形」が取り入れられました。
2、 アルファベットの大文字が「Hi, friends 1」、小文字が「Hi, friends 2」と分けて導入されています。
3、 お話が「大きなカブ」から「桃太郎」に変わりました。日本の伝統を大切にしたストーリーの中に、子ども達へのメッセージが含まれています。
We are strong and brave. And we are good friends. 児童が演じている姿が目に浮かびますね。
4、 ペアワーク、グループワークが多く、児童同士のコミュニケーションが活発になる活動内容に見直されました。

特に、充実した部分は、デジタル教材ではないでしょうか?
1、 歌・チャンツのスピードを【ゆっくり】【ふつう】の2つのボタンで切り替えられます
2、 カラオケがあります。(個人的に大変嬉しいです。)
3、 Let's play では、ネイティブスピーカーが実写となり、児童がロールプレイできます。 (すごいでしょ!)
4、 ネイティブスピーカーの発音を聞かせるだけでなく、口の形を見せています。
上半身、正面の口、横からの口が映し出されています。
発音指導を目的にしたのではなく、あくまでもALTがいない場合を考慮しています。
(将来、発音指導の布石になって欲しい!)
5、 世界地図のページでは、好きな国をクリックすると象徴的な町並みが映った後に小学校5,6年の児童が、自国語と英語で自己紹介をしてくれます。
(外国に対する興味や、英語を学ぶ動機付けになるといいですね。)

その他、ワークシートがあります。また学級の辞書というフォルダーの中に650枚の絵カードが作れるCDデータがあり、各クラスに必要な語彙をストックできます。

小中連携を意識した内容?と思える部分もありますが,小学校はあくまで小学校!外国語活動の素地を養う時期です。どんなに新鮮な野菜も料理次第で美味くも、まずくもなりますね。
使う私たち次第で、レッスンが変わってゆきます。

「英語ノート」から「Hi, friends」に移行しましたが、文部科学省が勧める外国語活動のコンセプトは一切変わっていません。
○ 言語や文化について体験的に理解を深める
○ 積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成
○ 外国語の音声や基本的表現に慣れ親しむ
つまり、「Hi, friends」を教えるのではなく、「Hi, friends」で教える。

頑張りましょう!  私たちJ-shineトレーナーが応援しますよ!

mpi小学校英語ページはこちらより