記事(レポート:小学校英語の現場から)|子供の英語教材、小学校英語、英語教室、指導者資格

記事
新着の記事
過去の記事
2008年12月までの記事
HOME > 記事 > 小学校英語メルマガ 小学校英語活動報告
レポート:小学校英語の現場から
すでに全国小学校の97.1%〈平成19年度文部科学省調査〉2万1220校で何らかの英語活動が行われています。小学校学習指導要領では、「授業の実施に当たっては、ネイティブ・スピーカーの活用に努めるとともに地域の実態に応じて、外国語に堪能な地域の人々の協力を得るなど、指導体制を充実すること」とされています。2011年の高学年の小学校英語必修化に向け、各自治体、学校では様々な取り組みをはじめています。
河西峰見
2011年1月5日
小学校英語メルマガ 小学校英語活動報告
〜“こんぴらの子ども達に「英語」を!”という熱い思いから始まった英語活動〜
J-SHINE小学校英語指導者
香川県仲多度郡琴平町・善通寺市
小学校英語非常勤講師
mpi パートナー会員
河西峰見
レポート:小学校英語の現場から
香川県の琴平町、善通寺市、綾川町、三豊市内の7校の公立小学校でJTEとして英語活動に携わっています。今回は地元琴平町(3校)での英語活動について報告します。

1.小学校英語講師になった経緯
私の住んでいる所は、「こんぴらさん」で知られている琴平町です。今から6年前に、埼玉県戸田市の新曽小学校で英語活動の研究発表会に参加しました。活動内容の活発さと充実さに驚くと同時に大変ショックを受けました。その当時、琴平町の小学校では全く英語活動はされていませんでした。香川県内でも英語活動を行っている小学校はごくわずかしかありませんでしたので、香川の子どもたち、琴平町の子ども達が大きくなったときに、英語の力にどれほどの差がつくのだろうという焦燥感に襲われました。そこで教育現場が何かしてくれるのを待つのではなく、自分ができることは何かと考えました。琴平町では、「放課後子どもプラン」という、地域の方々と触れ合いながら勉強やスポーツ、文化活動を行う「こんぴら子ども塾」という活動があります。まず、そこにボランティアとして参加し、「英語で遊ぼう!」を始めました。
いつか琴平町内の小学校で英語活動がしたいと思っていたところ、その活動が3年目を過ぎようとしていた平成20年に、琴平小学校が文科省の「小学校英語活動等国際理解活動の拠点校」になり、指導者を探していました。以前から活動に理解を示してくださっていた琴平町の教育長さんから直接お話を頂き、そこから英語活動が本格的に始まりました。その年には毎月のように公開授業、学校訪問やワークショップ、校内研修をしたりと大きな仕事もさせていただき、本当に充実した一年が過ぎました。次の年からは琴平町3校すべての学校で教えてほしいという依頼があり、琴平町と委託契約をしました。1年生から6年生まで琴平町の子ども達みんなに英語を教えるというチャンスをいただき、“こんぴらの子ども達に「英語」を!“という長年の夢が実現しました。

2.現在の活動状況
「Songs and Chants」、「英会話たいそう」、「バナナじゃなくてbanana」等の教材を使いながら、現在は私がT1となり指導案を作り、担任の先生がT2となった形のTTで授業を進めています。徐々に担任主導の授業に移行していけたらと思っています。また校長先生方の理解で、各小学校では朝に「英会話たいそう」の全校インプットを取り入れてくださり,英語の定着を図ることができています。現場の先生方はとにかく忙しく、打ち合わせをする時間がありませんので、前週に指導案をお渡しして次時の流れを簡単に説明して授業に入るのが実情です。授業後も十分な時間が取れませんので、休み時間の数分で本時の反省、担任の先生から子どもの情報をいただき、次の授業に生かすようにしています。琴平町での活動は、mpiのセミナーで受講した内容をそのまますぐに実践できる場となり、mpiの理念を取り入れた英語活動がなされています。研究授業や学校訪問等で授業を参観された教育事務所の指導主事の方々にも、「小学校の英語活動が目指そうとしていることが実践できていますね。」というコメントをいただき、琴平町の英語活動を肯定的に捉えていただいています。

3.担任の先生の役割
(1)担任は励まし上手・ほめ上手
英語活動をするには、英語ができなければならないと思っている方が多いのですが、一人ひとりの子どもに配慮しながら活動に集中させ、励ましたりほめたりしながら、子どもたちを楽しませることができるのは担任の先生方です。これはそれまでの子どもたちとの密なコミュニケーションがあるからです。これらなくして教育は考えられません。担任の先生方は「まだ英語で授業を進行出来ないけど、褒め言葉を覚えて、子どもが上手に出来たときに英語で褒めてあげたい。」と言われています。先生方は褒め言葉を集めたポスターを作って、それを教室に張り、いつでも見えるようにしておくことによって、子どもが出来たときにそれを使おうと工夫されています。その姿勢が大切だと思います。子どもたちは担任に褒められるとすごく喜びます。担任が英語を使おうとする姿が子どもたちの心を動かします。子どもたちが英語を特別なものでないと感じることによって、英語に対する難易度のハードルが低くなり、英語をより身近なものとして受け入れていくのではないかと思います。
(2)クラスをまとめる
英語活動がスムーズにいくかいかないかは先生方のクラスをまとめる力にかかっているのではないかと思います。日々の小学校生活の多くを支えているのは担任の先生です。子ども一人ひとりのことを把握し、この子は普段は何が得意で何が苦手なのかをよくご存知です。子どもたちは担任の先生のことをよく見ています。担任の視線や立ち方、咳払いの仕方一つで騒いでいる子どもたちを集中へと促すことができます。また、担任の「やるぞー!」という掛け声でクラスはまとまり、スムーズに授業ができるようになることがよくあります。これは、週に1度しか行かない私には出来ないことです。小学校での英語活動は、言語材料がゼロからスタートするわけですから、指導者の話すことや身振りをよく聞いたり見たりしていなければできません。授業中に集中して聞ける態度や、一つのことに向かってみんなの気持ちをまとめてゆくことが重要です。クラスをまとめる、これこそが担任の先生方の力、いわゆる「担任力」が発揮されるところではないかと思います。

4.今後の目標
現在、琴平町内の小学校では、すべての子どもが1年生から英語活動ができる状況にあります。町内3校の児童は同じ中学校に行きます。小学校で6年間学んだ子どもが、中学校での英語にスムーズに移行できるように小中連携がこれからの課題となってくるでしょう。子どもの語彙の認識力を高め、内容を推測する力が養われるという絵本の読み聞かせの有効性が小学校英語活動では実践できるかと思います。これからは、読み聞かせだけでなく絵本の暗誦にもトライさせ、子どもの英語の語感を育てていきたいと思っています。さらには、香川の英語教育がもっと発展するように、今まで培ってきた経験と学んだ理論を活かし、指導者育成にも力を注いでいきたいと思っています。