記事(レポート:小学校英語の現場から)|子供の英語教材、小学校英語、英語教室、指導者資格

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レポート:小学校英語の現場から
すでに全国小学校の97.1%〈平成19年度文部科学省調査〉2万1220校で何らかの英語活動が行われています。小学校学習指導要領では、「授業の実施に当たっては、ネイティブ・スピーカーの活用に努めるとともに地域の実態に応じて、外国語に堪能な地域の人々の協力を得るなど、指導体制を充実すること」とされています。2011年の高学年の小学校英語必修化に向け、各自治体、学校では様々な取り組みをはじめています。
2010年8月2日
担任力プラスJTEの英語力
〜未来の可能性を秘めた、子供たちのすごい力を活かす〜
福岡県春日市小学校外国語活動指導員
J-SHINE 小学校英語上級認定指導者
mpi セミナー会員
北嶋 ゆかり
レポート:小学校英語の現場から
■小学校に入るきっかけ

独身時代より児童英語に携わりながら、結婚・育児で遠のいていた英語教室を9年前に再スタートしました。息子を含む6人のグループは、全てが5年生の男の子・超個性派ぞろい・容赦ないツッコミと有り余るエネルギー・・・と、かなりハードなもので、どうしたら英語に興味や関心を持ってもらえるのか 試行錯誤の連続でした。

10年のブランクで、教材も指導法も驚くほど増えていましたので、福岡で開催されるセミナー・ワークショップには出来る限り参加し、常にアンテナを張り巡らし 子供達により適したものをずっと探ってきました。そんな中、習いたくても経済的な理由で習えない子・中学校さながらの内容の塾で英語が嫌いになり苦手意識を持っている子の話を聞き、公的な場で楽しく指導ができないものかと考えたのが、J-SHINEの資格を取るきっかけです。小学生の時期にこそ有効な英語教育を受ける機会は、どの子にも平等に与えられるべきです。

■活動状況

これまでに、mpiの先輩からの紹介・友人からの依頼・息子の卒業した学校などの数校で指導してきましたが、4年前よりその中のひとつで「外国語活動指導員」として活動し、現在に至ります。3年前より、週に3日(9時から4時まで)の勤務になり、市のALTが1・2年生(年間12時間)を指導し、私が3・4年生(20時間)と5・6年生(35時間)を担当して各クラスでの指導・ レッスンプラン・教材作り・年に数回の先生方への研修を行っています。


■教材と子供のようす

市のカリキュラムを基に、テーマにそった音声教材・英語のリズムをつかむための歌やチャンツ・視覚教材・ワークシートなどを使っています。3・4年では、Brown Bear, Brown Bear, what do you see?英会話たいそうDVDI like coffee, I like tea DVDSuperstar Songs 英語のおとあそび教室など、体を使って表現できるものを取り入れていますが、子供達はどれも大好きで 特に” Superstar Songs 英語のおとあそび教室”のMother Goony Bird(振り付き)は、子供達から何度リクエストされたかわかりません。

5・6年では、DVDでフォニックスバナナじゃなくてbananaチャンツクイズでチャンツ・英会話たいそうなどをウォームアップとして使用し、「英語ノート」はそのままではなく 子供の興味に合うよう アレンジしています。Only English指導も、絵カード・写真などを使いできるだけわかりやすくすることを心がけています。

4年間を通して担当した去年の6年生は、聴く力も伸び 英語のリズム・イントネーションも上手くつかんで自己表現ができ、週にたった一時間でも積み重ねていくことで、とても大きな成果につながることを実感しました。

限られた時間の中で、楽しいだけでなく実りのあるものにできたのは、スパイラルなプラン・いい教材はもちろんのこと 人の話をちゃんと聞ける子供達とそのクラスマネジメントをきちんとなさっている担任の先生方のサポートがあってこそだと思います。おかげで、毎回とても有意義な時間を過ごせて 小学校だからこその醍醐味を存分に味わうことができました。

■文科省による外国語活動の目標

「コミュニケーションの素地を養う」ということですが、そもそも【コミュニケーション】とは伝えたいことがあって、それに耳を傾けてくれる人がいて成立し それは日々の生活の中で自然に身についていくものだと思っています。あえて、週に一度・45分間の外国語活動の中でというよりは、子供達が得意な日本語を存分に使って 先生方が学校生活のいろんな場面でできることの方がはるかに多いのではないでしょうか。

さらに、地域によっては「英語嫌い」を作らない為に、文字を入れない・フォニックスを入れない・くり返しはさせない・間違っても訂正しない・発音を矯正しない などの制限もあります。しかし、子供達は文字にもフォニックスにもとても興味があり、スパイラルにくり返すことにより得られる達成感は、自信・意欲・英語力の向上につながっていくことを数年間の指導で強く感じました。子供達にはすごい力があるにもかかわらず、いろんな制限をつけ「コミュニケーションの素地を養う」だけにとどめておくのは、とてももったいないと私は考えます。


■今後の課題

各学校において、状況や教育活動のテーマ(道徳・算数・英語など)がさまざまで、先生方の関心も取り組みも学校によって違います。テーマが英語でない学校では、担任の先生方は日々の業務に加え、研究授業・発表などでお忙しく、十分な研修も打ち合わせの時間もほとんど取れないのが現状です。

そんな中で、文科省が掲げる「担任主導」は、英語が苦手な先生にとって不安や負担が多すぎると思います。「誰が」やるかということより、「子供達にとって」何がベストかを考えるべきではないでしょうか。先生方の「担任力」と、専門の知識・経験を持った私達が、得意とするところを出し合い一番いい形で授業ができるように協力すれば きっと楽しく 意味のある活動ができるはずです。

我が子の成長と共に、小学校・中学校・高校の英語教育を目の当たりにし、小学校で何をすべきかを改めて考えさせられました。到達目標を明確にして、指導法・内容をもっと検討し教員研修を充実させなければいけません。教える側は、常に長期的展望をもって学び続け、未来の可能性をたくさん秘めた子供達のために繁栄していくことが児童英語教師としての私達の役目だと思います。