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レポート:小学校英語の現場から
すでに全国小学校の97.1%〈平成19年度文部科学省調査〉2万1220校で何らかの英語活動が行われています。小学校学習指導要領では、「授業の実施に当たっては、ネイティブ・スピーカーの活用に努めるとともに地域の実態に応じて、外国語に堪能な地域の人々の協力を得るなど、指導体制を充実すること」とされています。2011年の高学年の小学校英語必修化に向け、各自治体、学校では様々な取り組みをはじめています。
2009年10月1日
小学校英語支援グループ
HEARTの仲間とともに
〜札幌で起こした活動のかたち〜
MPI札幌研究会 世話人
MPIパートナー会員
加藤敦子
レポート:小学校英語の現場から

 小学校英語必修化まで約1年半、なかなか火がつかなかった北の大都市札幌にも、ようやく小学校英語の火がともり始めました。 実は、種火はかなり前からついていたのですが、それが大きくなっていかなかっただけの話なのです。そこで、この火を大きくしていかねばと使命感を持って立ち上がったメンバーが8名、全員がJ-SHINEの資格を持った者ですが、「小学校英語支援グループHEART」を立ちあげ活動することになりました。2008年秋のことです。現在、私はそのまとめ役として活動しています。

*小学校英語支援者として入る・・MPI札幌セミナー会員のお子さんの小学校で支援者が必要となった
 3年前、北区のある小学校にお子さんが通っているセミナー会員のひとりから、英語活動が全学年で始まるので協力してほしいと要請があり、これが、私たちが小学校に英語支援者として入るきっかけとなりました。各学年3〜4クラスで年間10時間、なんと!初年度でトータル220時間!これを6人で分担してスタートしました。 まだ必修化になるかどうかわからない状況の中で、市教委より英語活動は「楽しむ」ことを第一とすると指導されていた学校側と、「楽しい」だけでは子どもたちに残るものがないと思う私たちの間にすれ違いも生じ、その他色々な場面で、外部の者が学校に入って支援をすることのむずかしさを知った1年でした。

*「小学校英語支援グループ HEART」の立ち上げ・・共通のポリシーを持ち、協力する
 はじめての英語活動支援から今年で4年目、学校と毎年年度末の反省会、年度始めの打ち合わせを重ね、より良い活動にしていくためにはどうすればいいか、担任と支援者の役割分担などを確認し合いました。そうこうしているうちに、小学校英語活動の必修化が決まり、英語ノートが作られ配布という、まさにスピード化時代の象徴とも言える早さで、小学校英語活動が変化していきました。でも、いろいろと苦労したお陰で、担任の先生方とJTEの関係も良いものとなり、それがさらに子どもたちにも影響して、始まったころに比べると、目の輝きが違ってきているのがわかります。

 昨年の秋まで、なんとなく個人が集まって小学校に支援に入っていたのを、支援グループとして、共通のポリシーを持ち、協力することにすれば、一昔前に言われたように、「みんなでやれば怖くない。」し(もちろん良い意味ですよ!)どんなにむずかしいことも、きっと乗り越えていけるだろうと、「HEART」というグループができました。年間計画、各学年の指導計画をみんなで話し合い、それぞれの支援校に合ったものにし、毎回の授業プランなども、時々これでいいのだろうか?と不安になることもあるので、その時はチェックしあったりしています。

 共通のポリシーというのは、「先生方が自立して授業運営ができるように支援すること」で、意識はT1ではなくT2であるということ、子どもたちに英語を教えることが、第一の目的ではないということを確認し合っており、学校にもそのようにお伝えしています。
 その上でのプランづくりなので、当然、先生が主体でも進められる内容やティーチャートークになってきます。そして、だんだんと先生方にもプランを作っていただけるように、また子どもたちにも安心感を持ってもらえるように、一定のパターンでのプラン作りをするようにしています。

 しかし、何と言っても仲間がいるのは心強い!と思います。もし体調を崩して授業に行けなくなった時、だれかにお願いして授業に入ってもらうことができ、授業をキャンセルすることもなく、行事がたくさんでやりくりの大変な、忙しい学校に迷惑をかけることもなくなります。また、プランは、人によって少々の違いはあっても、ほぼ共通したものなので違和感なく使え、代理でクラスに入ることになったとしても安心です。

*徐々に支援校が増えてくる・・グループメンバーの働きかけにより
 現在、私たちが支援をしているのは、最初に支援に入った北区の小学校をはじめ、厚別区2校恵庭市3校(ただし1校は支援完了ずみ)です。それぞれにカラーがあって、なかなか面白いです。先生方との関わりも、児童の様子も本当にそれぞれです。
 たいていどこの小学校でも、私たちが支援に入るところでは、1,2年生は「歌や絵本」、3,4年生は「英会話たいそうと絵本」、5,6年生は「自己表現とアルファベット」のように、教材はMPIのものを使いやってきました。 先生方も、最初は「ちょっとテンションが高すぎて・・」と戸惑っていらっしゃいましたが、子どもたちの生き生きとした顔に、だんだんと影響されたのか、一緒に楽しむ姿へと変わっていきました。 それぞれに楽しめ、それなりに成果も見られ、年度末のまとめの発表では、子どもたちのキラキラした顔を見られるのが何よりうれしいです。
 もちろん担任の先生も、そんな子どもたちの姿に喜びを感じないはずはありません。

昨年度の終わりに、私が1年生から3年間担当してきた3年生(現在4年生)全員分約120名のメッセージをクラスごとにまとめたファイルが自宅に届きました。 どのメッセージを読んでも、「1年生のころはむずかしいと思ったけれど、今は英語が大好きになりました。」と書いてあり涙がこぼれました。担任の先生方の温かいお気持ちにも感謝すると同時に、私が児童英語に関わった原点を垣間見た気がしました。 英語を学ぶことは(もちろんほかの言語でもよいのですが、私が学んだ外国語が英語だったというのもあって)楽しくて、世界のいろいろな人とつながることができ、自分の世界を広げられるものだということを、子どもたちに伝えたかったので、その思いがちゃんと伝わったと思うと、英語を使って子どもたちに関わる仕事ができて良かったと心から思いました。 これからもT2あるいはT3?でもいいので、子どもたちと関わっていけたらとひそかに思ったりしますが・・

*これからの課題は・・
 今年度からは、高学年には「英語ノート」を使った指導を先生方が希望するケースが多く、今まで培ってきたMPIの教材を使った指導をどのように「英語ノート」と関連付けるかがこれからの課題です。
 8月に札幌で行われたJ-SHINEフォローアップセミナーに参加し、「英語ノート」の使い方、担任の先生やALTとのTTの方法を学んできましたが、これですべてではないので、実際に学校現場で先生方、ALTとともに経験を積んでいきたいと考えています。 一緒に英語活動を作り上げていく中で、お互いに学ぶこともたくさんあることでしょうし、短期間でも先生方の英語活動に対する意識がどんどん良い方に変わっていくのを目の当たりにする経験をすると(恵庭市の小学校で、実際に私たちが経験しています。)TTはとても意義のあるものだと感じます。

 小学校英語活動は、学校の先生方、民間の支援者、ALTそして児童、関わっているすべての人たちのコミュニケーションを学ぶ重要な場所のような気がします。 最後には人間同士の関わりにまで発展していく、とても壮大なプロジェクトなのかなと思います。その一端に自分がいるということをいつも心に留めて、これからもHEARTの仲間とともに支援を続けていきたいと思っています。 松香洋子先生がいつもおっしゃっていること、「みんな仲良く」は私たちの合言葉です。困ったことが起こったら、まずここに戻り、冷静になって考えること。これでほぼうまくいくと思っています。 だって、みんな同じ人間ですものね。