利島村立利島小学校研修記|小学校英語と英語教材、指導者資格はmpi

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レポート:小学校英語の現場から
すでに全国小学校の97.1%〈平成19年度文部科学省調査〉2万1220校で何らかの英語活動が行われています。小学校学習指導要領では、「授業の実施に当たっては、ネイティブ・スピーカーの活用に努めるとともに地域の実態に応じて、外国語に堪能な地域の人々の協力を得るなど、指導体制を充実すること」とされています。2011年の高学年の小学校英語必修化に向け、各自治体、学校では様々な取り組みをはじめています。
2009年5月1日
利島村立利島小学校研修記
〜「英会話たいそう」が白雪姫のパロディに!〜
小学校英語指導者育成トレーナー
MPIセミナー講師・MPI英語教室講師
MPI教育アドバイザー
片山知子
レポート:小学校英語の現場から

3月10日夜、竹芝桟橋へ。かめりあ丸は利島のみ条件つき就航。予定通り22時に出港。北風がやや強い日だったが、思ったほど船が揺れることもなく東京湾を出る頃には熟睡。どんな環境でも寝られる体質に産んでくれた親にちょっぴり感謝した。

翌3月11日早朝。大島到着を知らせる船長のアナウンスが入る。やはり利島は条件つき就航とのこと。自分の勘では95%くらいは利島に停泊するような気がしたが、万一、新島まで連れて行かれてしまうと困るので渋々と大島で下船。(後で副校長先生から伺ったのだが、私が乗っていたかめりあ丸はちゃんと利島に接岸したとのこと。ほーらね。)

大島でくつろぎながら研修の準備をして、昼前に利島行きのヘリコプターに搭乗。ヘリに乗るのは生まれて初めてだった。同乗した男性3人組が手荷物の他に色々な器材を持っていたせいもあり、私自身も計量の対象となった。(正月太りを解消しないまま早春を迎えたことを、このときちょっぴり後悔した。)
利島ヘリポートで副校長先生が出迎えてくださり、利島小学校へ。この日はたまたま特別で、全校児童と先生方が広い多目的室に集まって、みんな一緒の給食だった。その中に3年担任のU先生のお顔。U先生と私は以前、都内某区の別々の小学校に勤務していたことがあり、区が主催した小学校英語活動の研修でご一緒したことがあった。小さな村に顔見知りが一人でもいてくださるのはとても心強かった。

第5校時に研究授業を参観。全学年合同の英語活動では、6人の担任の先生方が月ごとに分担してT1、T2を務め、さらに中学校英語科の先生がゲスト・ティーチャーとして入っていらした。子どもたちはもちろん、T1、T2以外の担任の先生方も児童と一緒になって本当に楽しそうに授業をなさっている様子は羨ましくさえ思えた。

全校児童8名がペアを作り、4ペアによるオリジナルスキットの発表が印象的だった。私が一番笑えたのは4年Mちゃんと5年Nちゃんの女子ペアの発表。
最初は女の子どうしの普通の会話だったのだが、途中から『白雪姫』のパロディになっていた。Nちゃんと別れて一人になったMちゃんに、怪しいおばあさん(5年担任S先生)がリンゴを持って近づき、リンゴを一口かじったMちゃんは倒れてしまった。そこへ通りかかった王子様(4年担任K先生。ボール紙で作った王冠をかぶり、馬に見立てた虫取り網にまたがって登場。これだけでも十分に笑いを取っていた)が、ペットボトルに入った魔法の薬(紙吹雪)をMちゃんにふりかけると、Mちゃんが目を覚ましてめでたし、めでたし…になるのかと思いきや、王子様の顔を見たMちゃんが再び気絶。担任の先生の顔を見て子どもが気絶するという展開に一同爆笑。最後はNちゃんがMちゃんに魔法の薬をふりかけて、今度こそめでたし、めでたし。
「英会話たいそう」の表現を組み替えて、何箇所かをやさしい単語に置き換えるだけでこんなに楽しい英語劇ができることを実感した。

放課後の研修では、来年度の年間指導計画に沿って、これから指導予定の絵本「In a People House」、「The Lady with the Alligator Purse」、「The Little Red Hen」、 「The Very Hungry Caterpillar」の4冊の特徴と簡単な指導手順について紹介。次に、「英語ノート」の活用法やフォニックスなど、高学年の指導内容を中心に研修をし、最後に翌日のモデル授業について大まかな打ち合わせをして終了。ちょうどU先生が3月のT1担当とのことだったので、次の日のモデル授業はT1がU先生、T2が片山でティーム・ティーチングを行うことにした。

副校長先生が宿泊先まで送ってくださり、自分の部屋に入るとすぐに翌日のモデル授業の授業案作成にとりかかった。出発前に授業案は作っておいたものの、せっかくなら先生方のご意見やご要望を取り入れたモデル授業にしたかったため、手書き用のフォーマットを持参しておいた。やはりこれが役に立った。授業案が半分ほど埋まった頃、U先生から電話が入り、「これから退勤しますが、差し支えなかったらそちらに伺って、明日のモデル授業についてもう少し細かく打ち合わせをお願いしてよろしいでしょうか」とのことだった。旅館のご主人のご好意でロビーを使わせていただき、打ち合わせ。ますます翌日のモデル授業が楽しみになった。夕食と入浴の後、授業案の残りを書き上げて就寝。

3月12日、第1校時にモデル授業。U先生がこの日の英語日直の児童を前に呼んで、テンポよく英語活動が始まった。途中までは私が立てたプラン通り進んだが、前代未聞(?)のアクシデント発生!
前日、U先生から「英会話たいそう」8番は子どもたちの一番人気であったことは聞いていた。DVDの前奏が始まったとたん、子どもたちも先生もノリノリだった。“♪This is a frog. WOW!!”と全員が跳びはねて着地したとたん、テレビの画面が真っ暗になり音も止まった。一瞬、何が起きたのかわからず全員がかたまったが、次の瞬間は大爆笑。どうやら震動のせいでコンセントが接触不良を起こしたらしい。参観なさっていた先生方が機器の調整をしてくださっている間、私たちはCDで「英会話たいそう」8番を歌って踊った。テレビもDVDもすぐに復活。一安心。DVDプレーヤーの近くで踊っていた私は、前日の大島空港での計量につづいて、再び減量の必要性を痛感した。
今回のモデル授業のポイントは、発表者にマナー指導をすることと、発表を見たら児童どうしがほめ合えるようにすることの2点。T1のU先生はもちろん、他の先生方のご理解とご協力もあってこの点については伝えることができたと思う。

中休みの時間を利用したミニ研修には担任の先生方が全員参加してくださった。先生方からのご質問を受け、モデル授業の振り返りをした。その前後はたまたまU先生が空き時間だったため、私の出発時間直前まで、来年度と再来年度の年間指導計画についてお話をさせていただいた。11時過ぎ、校長先生はじめ何名かの先生に見送られて利島小を後にした。

利島ヘリポートに大島からのヘリが到着した。昨日の同じ便で自分はここに来たこと、島にいたのはたった24時間だったことに気がついた。島全体の時間はゆっくり流れているのに、自分は何と密度の濃い24時間を過ごしたのだろう、としみじみ思った。大島でヘリコプターから普通の旅客機に乗り換えて羽田へ。帰路は何とあっけないことか。利島小の子どもたちと先生方、特に色々とお世話になった副校長先生とU先生には、貴重な経験をさせていただいたことを心から感謝したい。