松香洋子 著『子どもと英語 増補改訂版』|小学校英語と英語教材、指導者資格はmpi

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2011年9月2日
「子どもに英語を学ばせたい」
「英語教育についてきちんと知りたい」
と思った人に読んでほしい1冊
松香洋子 著
『子どもと英語 増補改訂版』
『子どもと英語 増補改訂版』制作担当者
奥原剛
レポート:小学校英語の現場から

親も家庭で英語を教えられる

「1.家庭でできる英語教育を加筆」については、松香洋子の次のような考えがあります。

「私は、英語は家庭で親が子どもに教えるのが最も自然でよいことだと思っています。『私は英語が苦手なので教えられません』という方がたくさんいらっしゃいますが、上手である必要はまったくありません。愛情さえあれば誰でも教えられます。親は入り口のところだけ手伝ってやればよいのです」(P32)

こう述べた上で、「これは絶対にやらないで!」という注意点と、「家庭で取り組んでいただきたいこと」を紹介しています。

「これは絶対にやらないで!」という注意点の一例をご紹介すると、

「お父さん、お母さんがよく買う英語教材に、『英単語』『英語絵辞典』の類があります。しかし、単語だけを覚えて日本語の語順にあてはめると、英語らしい表現からほど遠い表現になってしまいます」(P34)

と述べ、

「英語は、単語ではなく、『チャンク(かたまり)』で覚えないといけません。チャンクで覚えれば、あとは単語を入れ替えるだけで会話できます。(中略)チャンクは、歌やチャンツの中にたくさん入っていますので、英語を『チャンク』で覚えるのは、単語だけで覚えるより、むしろ簡単です」(P34)
「たとえば、英語絵本教材の定番 Brown Bear, Brown Bear, What Do You See? (Eric Carle著)をくり返し読んでいれば、『何が見えますか?』と英語で質問したいときに、 “What do you see?” と、とっさに口から出てきます。英語は単語ではなく『かたまり』で覚えた方がよいのです」(P35)

と、より効果的な英語学習の始め方を解説しています。

また、「家庭で取り組んでいただきたいこと」については、「CD・DVD教材をかけることが親の役割」として、「『英語を教える』のではなく、英語が聞こえる『環境を与えて、一緒に楽しむ』ことを心がけてください」(P39)といったアドバイスと共に、具体的な実践方法を記しています。

家庭の英語教育に関して、このほかにも、「『お母さんも英語で苦労したわ』と言わない」「日本語に訳すのは大人のおせっかい」「10歳までにたくさん英語を聞かせる」など、具体的ですぐに始められる、お父さんお母さんにとって目からウロコの英語教育法を紹介しています。

教育は評価に始まり、評価に終わる

「2.外国語活動における『評価』の問題を考察」については、小学校で広く行われている「振り返りによる評価」と「『英語ノート』を中心とした評価」を解説し、さらに、mpiが長年行ってきた「パフォーマンス評価」と、長年ヨーロッパ諸国で行われてきた「Can-Do評価」の方法についても紹介し、小学校や民間の英語スクールでの導入を提案しています。

「パフォーマンス評価とは、子どもたちが人前に立って、英語の歌や寸劇やスピーチなどを発表して、先生、保護者、子どもたちがその発表を評価するというものです。声に出す発表で、内容もシンプルなものですが、プレゼン力(声の出し方、スマイル、立ち方、目線、間の取り方等)も必要であり、仲間と準備や練習をする過程も評価できます」(P101)。

昨今、社会人が仕事の場面で「プレゼンテーション力」を問われることが増えています。また今後は、外国人と共に働く機会も増えるでしょう。そうなれば、「意見を言わない日本人」「発表が苦手な日本人」では通用しなくなります。パフォーマンス評価で身につく力は、まさに子どもたちが大人になってから求められる力と言えます。

また、「Can-Do評価」は、「すべて加点評価で、減点評価はしません。つまり『できる』ところが地平線で、それ以下には下がらない」(P106)評価法です。子どもが英語を楽しく学び、英語を使ったコミュニケーションに自信をつける上で、Can-Do評価は非常に効果的な手法です。

松香洋子は、評価についてこう書いています。「『教育は評価に始まり、評価に終わる』と言われます。結局のところ、評価は目標とすることの全体を支配するからです」(P141)。小学校の外国語活動を成功へと導くために、また民間の英語スクールでよりよい教育を行うために、本書が提案する評価方法を実践していただけたらと思います。

これが大事!「子どもと英語」の12のポイント

最後に、「3.児童英語教育の重要ポイントを明確に提示」についてです。松香洋子がこの本でいちばん伝えたかったこと、mpiが児童英語教育において重要と考え常に実践している12のポイントを、本書の巻末にまとめています。

【これが大事!「子どもと英語」の12のポイント】
1.コミュニケーションのために英語を教える
2.トップダウン方式で教える
3.積み上げ方式ではなく、スパイラルに教える
4.英語は英語で教える
5.インプットを重視する
6.単語ではなくチャンクでインプットする
7.身体性を重視する
8.発表教育を重視する
9.自分の意見を言えるようにする
10.自分から手をあげて発言させる
11.「自分を語ろう」から「日本のことを発信しよう」へ
12.ユーモアを大切にする

この12のポイントのそれぞれについて、「それが大事な理由」「実践の方法」「実践の成果」を解説しています。

「子どもに英語を教えるとき、子どもが英語を学ぶとき、その根本の理念は、指導の場、学びの場が家庭であれ、学校であれ、英語教室であれ、同じです」(P152)。ご家庭で、英語教室で、小学校で、本書の12のポイントを、教育・指導のチェックポイントとしてご活用いただけますと幸いです。

保護者の皆様、小学校と英語教室の先生方におかれまして、『子どもと英語 増補改訂版』には、参考になる点が様々あると存じます。皆様が、本書をひとつのきっかけに、子どもと一緒に英語を楽しんでくださいますように。そして、日本の未来を変える大きなうねりを、mpiと共につくっていってくださるように、願っております。

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