愛知県春日井市立神屋小学校 教諭 加藤拓由
2009年2月2日
キレイごと抜きの現場報告
小学校だから!できること 第7回
マイナスから立ち上がる担任たちが
日本の子どもの未来をつくる 【前編】
愛知県春日井市立神屋小学校
教諭 加藤拓由
レポート:小学校英語の現場から
ムンバイのテレビ・チャンネルには、「アニマックス」というアニメ専門のチャンネルがあり、主に日本のアニメを英語で放送していました。ポケモンやドラゴンボールといった、日本でも人気のアニメが英語に吹き替えられて放映されています。子どもたちは、それらを毎日見て楽しんでいました。

私はこうした様子を見ていて、「もしかすると日本でも、小学校からオール・イングリッシュで英語を始めたら、英語だけで授業することが可能になるのでは?」と考え始めたわけです。

帰国して小学校の教員に
小学校英語の意義を確信する

加藤 日本に帰国してから、2006年度より小学校の教員として勤務する機会を得ました。折しも、小学校で英語を始めようかどうかという議論が本格化し始めた頃です。小学校英語に取り組むには絶好のタイミングでした。

現在勤務する神屋小学校は、拠点校や特区の学校ではありません。春日井市立の一般的な小学校です。しかし幸いなことに、本校では数年前よりALTによる英語活動に力を入れていたために、小1から小6までALTと担任によるTeam Teachingが年間20時間程度行われていました。

そこでも、小学生の子どもたちの語学力、特に、聞いた音をそのまま発音する力や、英語の音と意味をかたまりでとらえる力、ALTの話の全体像を聞いて表情やジェスチャーなどを交え大意を推測する力の高さなどに驚きました。
「やはりこれなら小学校から英語をやらない手はない!」と確信し、自分でもALTとのTeam Teachingの時間に児童に英語で話しかけたり、ゲームの説明を英語でしたりし始めました。ところが、自分でやると、どうも子どもたちの反応が思わしくありません。

さらに、ALTと授業していて気付いたことがありました。それは、「1時間、1時間の授業を子どもたちはそれなりに楽しそうにしているが、何時間積み重ねても、習った英語を使えるようにはなっていない」ということです。
そこで、もう一度小学生を英語で指導する方法を一から勉強し直そうと考え、2006年の8月に、大阪でMPI 松香フォニックス研究所の初級講座J-SHINEの認定講座を、2007年の8月に東京で中級講座を受講して、現在にいたります。

編 レッスンプランなど英語活動の中身について教えていただけますか。

加藤 現在は5年生を担任しています。英語活動は年間で20回程度です。総合的な学習の時間の中から「国際理解」の一環として英語活動にあてています。
カリキュラムやレッスンプランは、ALTの派遣業者のものを使っています。春日井市では、入札制で英会話講師の業者を選定しています。その年その年で落札業者が異なるため、派遣業者が持っているカリキュラムで授業を組んでいます。

各派遣会社が年間のレッスンプランブックを持っています。それを見ながら、各学期の始まる前に、「この日には、プラン○○ページのこことここをしてください」と連絡しておきます。ALTは派遣会社から事前にプランのどこをするのか聞いていて、学校に来たときに、朝の1~2分で各担任と簡単に打ち合わせをします。